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  • ダビッド トゥルーベック

「死の影の谷」詩篇23篇


📷Photo by Shlomi Znati| ダビデは羊飼いとして毎夏、群れを率いて長旅をしていましたから、谷での危険についても詳しく知っていました。それゆえダビデは、主との親密な関係を深める自分の経験を、神の霊感を受けつつ、次のような比喩で表現できたのです。「たとえ 死の陰の谷を歩むとしても 私はわざわいを恐れません。」(詩篇23:4)


【生きている者のために】

「死の陰の谷」とは何でしょうか? 「それは実在する場所だ」と考える人々もいます。深くて狭くて険しい峡谷。日光が谷底に届くのは、太陽が真上に来る正午だけで、それ以外の時間は真っ暗。その谷はエルサレムとエリコの間にあり、「よきサマリア人」の舞台ともなった実際の場所である、というわけです。ベツレヘムの位置を考慮すると、羊飼いのダビデは何度も「死の影の谷」を通った可能性が高い、と。しかしダビデは果たして、そのような場所を思い描いていたのでしょうか?


私はむしろ、「死の陰の谷」は実際の物理的な場所ではなかったと考えています。ダビデが思い描いていた「谷」はむしろ、私たちを脅かす人生の困難、とりわけ「死」を表していたのではないでしょうか。要するにダビデは、「たとえ私が、暗く、難しく、恐るべき状況に置かれていたとしても、羊が羊飼いを信頼するのと同じように、私はあなたを信頼し、あなたがこの苦境を乗り越えさせてくれることに信頼する」と歌ったのです。羊は視力が弱く、新しい環境、特に暗い環境ではすぐに怯えてしまいます。キリスト教のいくつかの宗派では、葬儀の場でこの詩を読む習慣があります。しかし私は、この詩篇が歌っているのは、葬儀における慰めよりも、生きている人々の励ましだと考えています。

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