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このシリア革命は、時のしるしなのでしょうか?

Writer: ミッチ・グレイザー師ミッチ・グレイザー師

この世界がより危険に満ち、平和を見出すことが困難になっている今、私たちは聖書の教えと言う角度から時のしるしに関して、熟考する重要性について考えさせられています。

マタイではイエスに対する、再臨の時について弟子たちからの質問が記されています。

イエスがオリーブ山ですわっておられると、弟子たちが、ひそかにみもとに来て言った。「お話しください。いつ、そのようなことが起こるのでしょう。あなたの来られる時や世の終わりには、どんな前兆があるのでしょう。」

(マタイ 24:3)

弟子たちはイエスがその前に行った、エルサレム神殿崩壊に関する預言的予想に対して反応しているのです―

見なさい。あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。あなたがたに告げます。『祝福あれ。主の御名によって来られる方に』とあなたがたが言うときまで、あなたがたは今後決してわたしをみることはありません。」

(マタイ23:38~39)

そしてこれについては、紀元70年のローマ軍によるエルサレム侵攻で、成就しています(ルカ 21:20~27)。

それに対してイエスは、「オリーブ山の説教」として知られる預言的な教えで答えており、時のしるしを出産時の苦しみに譬えています。

また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。しかし、そのようなことはみな、生みの苦しみの始めなのです。(マタイ 24:6~8)

こうしてイエスは当時共に生きていた自身の弟子たち、そして今日を生きる私たちに対して、主の再臨が近づくとその時のしるしがより強力なものになる、と伝えています。


したがって私たちに対して、それらのしるしに対して敏感になり、今後・未来において何が起こるだろうかと言う視点と、現状への見方を並行して持つよう求めているのです。


明日の光と共に私たちは、今日を生きています!

ニュースや様々なデジタルソースから情報を得ていると、特に現在中東で起こっているグローバルな紛争という産みの苦しみを、無視することは困難な状態です。アサド政権崩壊という最近シリアで起こった事象は、中東におけるパワーバランスと大きな構図を変えるという意味だけでなく、来るべき時に対する私たちが予測し得ない1つのしるしかも知れない、と言う意味でも関心を集めています。

アサド政権に取って代わった革命隊の軍事的成功に、世界中が驚きショックを受けました。ISISやアルカイダにインスパイアされた反乱軍が、アサド率いるバアス党や(シリアにおける宗教的少数派である)アラウィー派の政権を倒すことを予想した人は、少なかったはずです。そして現在シリアでは、スンニ派のイスラム主義者たちが実権を握ることとなりました。この革命は新しいシリアの幕開けではありますが、イスラエルとシリアの関係性という視点で言えば現状では不透明であり、決して良い出来事だと断言もできません。

しかし聖書はシリアについてどう語っており、御言葉というレンズからこの一連の出来事をどのようにより良く理解すべきでしょうか?



預言における、シリア―

シリアとその首都ダマスカスの未来について、聖書は詳細かつ明確に語っています。

いつの日かシリアが破壊されると、聖書は教えています。ここから私たちは、イスラエルに対するシリアのスタンスと言うのは究極的な敵対心だと、推測することが出来ます。長期的なシリアの運命は、(他の国々と同様)イスラエルとユダヤ人に対してどのような姿勢を持つか次第であり、これは神がアブラムとの間に結ばれた契約に基づいています― あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう(創世記 12:3)。

100%の確証を持って知ることはできませんが、ゼカリヤ書にあるようにシリアがイスラエルを囲む敵国の1つである可能性は大いにあります。そしてイスラエルが来るべき日、ユダヤ民族としてメシア・救い主にその顔を向ける時、主は戻って来られイスラエルを救うのです。

その日、わたしは、エルサレムに攻めて来るすべての国々を捜して滅ぼそう。わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと哀願の霊を注ぐ。彼らは、自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見、ひとり子を失って嘆くように、その者のために嘆き、初子を失って激しく泣くように、その者のために激しく泣く。

(ゼカリヤ 12:9~10)

イスラエルと隣国との間の平和のために私たちは祈るべきですが、シリアの将来については―イランやイラクと同様―そこまで明るいものではありません。聖書はシリアの象徴とも言える、ダマスカスの未来についてどう語っているのでしょうか。

キーとなる預言は、イザヤ17:1~3です:

ダマスコに対する宣告。見よ。ダマスコは取り去られて町でなくなり、廃墟となる。アロエルの町々は捨てられて、家畜の群れのものとなり、群れはそこに伏すが、それを脅かす者もいなくなる。エフライムは要塞を失い、ダマスコは王国を失う。アラムの残りの者は、イスラエル人の栄光のように扱われる。―万軍の主の御告げ―

このように聖書は、ダマスカスの運命については非常に明確です。「なくなる・廃墟になる」といったヘブライ語の単語から、いつかダマスカスが完全に破壊されることに関して、大きな疑いは生まれません。

ジョエル・C.ローゼンバーグ氏は、ダマスカスの未来に関するイザヤの預言について、こう言及しています:

17章にあるダマスカスが崩壊するという罰についての預言は、まだ成就していない。ダマスカスが完全に崩壊し、廃墟と化したことはないからだ。かえってダマスカスは、世界的に見ても最も古くから人々が住み続けている町のひとつだ。

旧約聖書学者のヴァルター・カイザーはイザヤの預言について、一度繁栄したある町がいつの日か廃墟の山となり下がってしまう様子を表している、としています。

これは歴史上、いつに起こっただろうか。これが誇張的表現だったとしても、これから起こるべき大きな悲劇を指しているに違いない。ダマスカスから「要塞は失われ、王国は消え去る(イザヤ 17:3)」と、書かれているように。

他の預言者たちも、シリアの終焉について記しています。預言者アモスはこう預言しています―ダマスコの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない(1:3)。列王記第二16:7~9にあるダマスカス崩壊から約一世紀後、預言者エレミヤはいずれダマスカスが再び崩壊すると預言しています:

ダマスコについて。「ハマテとアルパデは恥を見た。悪い知らせを聞いたからだ。彼らは産みのように震えおののいて恐れ、静まることもできない。ダマスコは弱り、恐怖に捕らわれ、身を巡らして逃げた。産婦のような苦しみと苦痛に捕らえられて。

(エレミヤ 49:23~24)

アッシリアをはじめ古代・現代を通じてどの中東にある国・王国も、ダマスカスを完全に破壊し滅亡させることはありませんでした。したがってローゼンバーグ氏やカイザー氏のように、シリアに対するこの審判は未来に起こると考えるべき、との見解に私は同意します。


現在のダマスカス


歴史的にダマスカスは繁栄してきましたが、バッシャール・アル=アサド(2000~2024年)政権下においてシリアは弱体化を続けていました。彼は父ハーフィズによる数十年間の独裁体制を引き継いだのですが、この傾向は変わりませんでした。またこのアサド親子によってシリアは、現代イスラエルの存続を脅かす敵でした。イスラエルにとってどのような隣人となるのか、私たちはこの国の新しいリーダーたちを注視するつもりです。

今日のダマスカスを写真で見ると、そこを治める人々については不透明ですが、未だに活気に満ちた姿をしています。最近シリアで起こったことは、予想しえないことでした。1週間と言う間に反アサド派の連合軍がシリアを奪還し、大統領はロシアへと亡命しました。重ね重ねになりますが、新しくシリアを治めるリーダーたちがイスラエルに対してどのようなポジションを取るのかについては、現時点では不透明です。


私たちが記憶すべきことは、現在は『反乱軍・反体制派』として知られるシャーム解放機構(略してHTS)は、ハンマド・アル=ジャウラーニーに率いられていますが、数年前まではイスラム国の一部だったという事実です。彼はその後アルカイダと合流し、2016年7月に彼らとも袂を分かちました。しかしこれは彼らのイデオロギーやジハードに対するコミットメント、そして長年にわたる反イスラエル的姿勢を塗り替えるものではありません。私たちは注意深く見て、祈る必要があります。現段階でアメリカはHTSをテロ組織のリストから除外し、アフマド・フサイン・アル=シャラア(アル=ジャウラーニー)に対する1000万ドルという懸賞金付きの指名手配についても、解除しています。


このシリア新政府がイスラエルをより肯定的にとらえることを、私たちは望んでいます。そしてイスラエルとしても、それについて推し量ろうとしています。事実イスラエルは、シリア国中にあった数十の武器庫や海軍に関する施設を破壊しましたが、これは新しく結成された指導者たちがイスラエルとの戦争を始める可能性を摘む処置でした。また国境を守るためにゴラン高原のシリア領内にある、緩衝地域へと素早く進軍しました。

中東における平和と戦争の状況についてはまだまだ不明確なままですが、私たちは神が自身の民を守られると信じています。イスラエルの聖なるお方はユダヤ民族と、自身が約束された土地を守り続けるでしょう。そしてメシアであるイエスに対してひざまずかなかった場合、彼らは個人そして国家レベルで最後には裁かれるということを、知っているのです。


中東における、平和の預言

それでは、次には何が起こるのでしょうか。聖書の持っているタイムラインについて判断するのは簡単ではありませんが、確かなのはシリアとイスラエルが複雑化した新しい関係性に入るということと、この新しい未来には敵意と破壊の大きな可能性があるということです。しかし再び、私たちは聖書の物語から学べることがあります。

聖書は破壊と共に、中東にいずれ来るであろう平和と栄光の日についても語っているからです! エジプトとアッシリア帝国の中で残っている一部(現在のシリアはここに含まれています!)は、メシアであるイエスの王権に従ったあかつきには、将来的な王国で平和を楽しむのです。とても偉大で、栄光に満ちた日となるでしょう!

イザヤはこう書いています―

その日、エジプトからアッシリヤへの大路ができ、アッシリヤ人はエジプトに、エジプト人はアッシリヤに行き、エジプト人はアッシリヤ人とともに主に仕える。その日、イスラエルはエジプトとアッシリヤと並んで、第三のものとなり、大地の真ん中で祝福を受ける。万軍の主は祝福して言われる。「わたしの民エジプト、わたしの手でつくったアッシリヤ、わたしのものである民イスラエルに祝福があるように。」

(イザヤ 19:23~25)

私たちはこの長く続いた憎悪が終わりを迎え、ヨルダンやその他の国々に居る数十万人の難民を含むシリア人に対して、福音が宣べ伝えられるよう祈る必要があります。

これらの預言が実現する日まで、どれぐらいの時間が掛かるのでしょうか。それは実際にそれを目にするまでは分かりませんが、必ず起こります! 目を見張るようなこの新しいシリアの始まりは、今までと違う形で預言的な地図の中にダマスカスを置くことになります。全ての人々は中東、特にイスラエルに注目し、私たちは帰還への道を主が備えられる様子を目にするのです。

私たちが行うべき働きに関する指針とユダヤ民族に対するミッションは、変わりません。福音を創造性と愛を持って提示することに対して私たちはコミットし続けており、これはメシアであるイエスの良き知らせであり、ユダヤ人をはじめ異邦人に対して有効なものです(ローマ 1:16)。皆さまの祈り、そして私たちが生きている時代に関する皆さまの理解を、必要としています。

(この記事はチョーズン・ピープル・ミニストリーズの議長である、ミッチ・グレーザー博士により執筆されたものです)


皆さまのイスラエルに対して、そして日本におけるユダヤ民族への奉仕・働きに対する、皆さまの忠実な祈りに感謝申し上げます。

 
 
 

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