イエスの教えと当時のラビたちの教えの類似点とは？

メシアニック・ジューの学者であり、過去30年にわたりChosen People Ministries（チョーズンピープル•ミニストリーズ）で奉仕してきた神学者でもあるダニエル・ネシム博士が、このタイトルの短いメモを発表した。 フェイスブックに掲載されたこのメモに興味を持ったので、日本の友人たちと共有することにした。

「救い主イェシュアの教えが、当時のラビの教えと類似しているなんて、考えただけで全く受け入れられない！」

これはシアトルに住む私のユダヤ人の友人の基本的な反応である。イェシュア（イエス）の教えの一部が古代ユダヤの文献に類似しているという、学者たちの主張を考えたときのことである。

友人の気持ちは理解できる、とダニエル博士は付け加える。 結局のところ、イエスが父なる神に等しいメシアであると信じる私たちは（第1コリント8:6）、考えられるあらゆる方法でイエスをたたえたいと思う。 イエスの教えと当時のラビたちの教えを並列させることは、忌まわしいことのように思える。私たちは、イェシュアの教えが生ける神の言葉であり、人々の考え以上のものであったことを確信している。

しかし実際、科学的、神学的な観点から見れば、イェシュアの教えと当時のラビたちの教えの間に類似点があることは否定できない。 現実には、このような類似性は避けられないと考えるべきだろう。 人々が真理を語るとき、つまり正しく正しいことを語るとき、そのメッセージはいつも同じになる。 宇宙はひとつの原則によって支配されており、その原則は私たち全員にとって同じなのだ。

実際、類似点が存在しないとしたら、それは驚くべきことだ。 イェシュアも同時代の人々も、同じ書物から教えていた： トーラー（律法・モーセ五書）、ネビイム（預言者）、ケトゥビム（著作•諸書）である。 彼らは律法、預言者、そして書物から教えを説いたのである。 確かに、両者（イェシュアと当時のラビ）とも同じ聖書を引用していた。

さらに、イェシュアが生きた時代は、後にユダヤ教として知られるようになるものの形成において、最も重要な時代の一つであった。 イェシュアの同時代人の多くのラビは、ミシュナやタルムードにおける重要人物である。 彼らは同じ聖書に基づいて教えただけでなく、同じ時代に、同じ文化圏で、同じ場所で、同じ言語で、同じ人々に教えたのである。 彼らが同じ真理を同じように表現しても不思議ではないだろう。

真理は普遍的なものだが、もちろんイェシュアの教えは独特だった。 彼は神の権威をもって教え、信者たちを驚かせた。イェシュアの教え方は、それまで彼らが聞いたことのある誰とも明らかに違っていた。 なぜなら、イェシュアは聖典に基づいて正しいことを教えただけでなく、その教えに従って罪のない生活を送ったからだ。 このことはもちろん、すべてのラビたち、たとえどんなに優れたラビたちであっても、やはり欠陥のある人間であるラビたちとは一線を画していた。

イェシュアは神の権威を持っていた

また、イェシュアの教えと当時のラビたちの教えには、非常に微妙でありながら革命的な類似点があることにも注目する必要がある。 例えば、ヒレル（長老ヒレルはユダヤ教の宗教指導者、賢者、学者）は「あなたにとって憎むべきことは、隣人にしてはならない」（タルムード**）と言った。 イェシュアは、「あなたがたは、人からしてほしいと思うことは何でも、人にもしなさい」（マタイ7:12）と言った。 この違いは微妙だが深い。 両者ともレビ記19章18節を土台としているが、ヒレルはそれを「否定形」（「他の人に...してはならない」）で解釈し、イェシュアは「肯定形」（「他の人に...しなさい」）として強調している。 その目的は、彼らが扱われたいと望むように人々を扱うことであり、これは肯定的な命令としてよりよく述べられている。

シャンマイとヒレルは、同時代の最も著名な1 世紀のユダヤ人学者で賢者で、ユダヤ教の中核となるラビ文学であるミシュナの重要人物である。　

ある異教徒がシャンマイの前に現れて言った、『わたしを布教者にしてください、ただし、片足で立っている間に律法全部を教えてください』。 シャンマイは手に持っていた建築用の物差しで彼を追い払った。 彼（その異教徒）がヒレルの前に現れると、ヒレルは彼に言った。『あなたにとって憎むべきことは、隣人にしてはならない。これが律法のすべてだ。 残りは注釈だ。 行って学びなさい！』」（タルムード／安息日31a）*。