イスラエルにいるメシアニックの信者たちは、自分たちがイスラエル社会にとって不可欠な存在であると考えています。例えば、彼らは兵役につくことで国と社会への義務を果たしています。イスラエル社会を特徴付ける様々な人種や背景を持つ18歳の青年たちはIDF(イスラエル国防軍)に入隊します。そして、軍事的な体制の中で、文化的、宗教的、社会的な違いにもかかわらず、彼らの絆が強められ、一つの共同体になります。これは、イスラエル社会を形成していく重要なプロセスです。イスラエルでは人材採用法により、男女両方に兵役が義務付けられており、男性は2年8ヶ月、女性は2年兵役につきます。
特に皆様に分かち合いたく、イスラエルで兵役についているメシアニック・ジューの兵士にインタビューを行いました。
ガリレア・ゴランさん(19歳)
あなたの軍での役割は何ですか?
私は3つのチームで構成される教育科の部隊に所属しています。一つめは私自身が配属されている兵站の最高司令部のチームで、基本的に日常および緊急時に、物資、弾薬、水、燃料や食料などを軍の全兵士に供給する責任を負っています。さらに、軍隊内の一連の移動や通勤に責任があり、実際には、日常および緊急時に運用されるかどうかに関係なく、車両の点検をする責任があります。
2番目のチームはナショナルセンターで、企業や民間人が所有する輸送手段や機械工学機器の登録と募集、および緊急時にIDFのニーズに応じて重要な工場を抑える責任があります。
3番目のチームはイスラエルユニットです。これは、国外から軍で奉仕するボランティアを集めるためのチームです。少しでも軍に貢献したいという意思を持つ、外国からの参加者、イスラエルを愛しているボランティアたちがいます。彼らはイスラエル国家に貢献し、軍で奉仕したい人々です。実際にイスラエルユニットは彼らに対応し、ボランティアの各グループには軍に滞在している間、ボランティアを指導する訓練された兵士が同行します。
現在、私はそれら他2つのチームを訪問したり、大抵はリモートで司令官たちと働いたりしています。
私の仕事は、それら3つのチームにおける教育プログラムを企画し、文化、情報、戦闘の歴史、イスラエルに関する知識やIDFの価値観などに関する分野のアクティビティを実施することです。また、ツアーや教育的行事の手配をしたり、さまざまな博物館への見学やツアーを企画したりして、IDFと国に対する所属意識と義務感を強化します。さらに、教育プログラムの一環として部隊の司令官と協力します。軍では「司令官教育」という概念があり、兵士は司令官のように振る舞うことを努め、司令官は下の者の働きも担うことによって、個人的な模範となるように努め、一体感が生まれます。
そして、軍の犠牲者を追悼する式典や残された遺族のための行事、さらには嬉しい行事として、たとえば戦死した司令官の娘のためのバット・ミツバ(ユダヤ教で女の子が12歳の時に迎える成人式。男の子は13歳の時に「バル・ミツバ」という成人式を行う)など、さまざまな行事の企画を担当しています。そして、私の仕事はこれらの行事の細部まで責任を持って管理することです。何千人もの人々が参加する行事もあるので、決して簡単な仕事ではないと感じます。
軍での女性兵士への扱いはどのようですか?
ある部隊では女性兵士に寛容であるなど、軍での女性兵士に対する態度は所属する部隊によって大分異なります。
しかし、入隊直後にある訓練期間中(非戦闘部隊では2週間から1ヶ月半)は、司令官たちは女性兵士たちにも非常に厳しく、大声で怒鳴ります。
幸いなことに、私の司令官は親切な方たちでした。厳しい訓練の中、家族を恋しく思って泣いていた私の隣に女性の司令官が来てくれて、落ち着くことができました。男性の軍事訓練では、そのようなことは決して起こらないでしょう。
ですから、私にとって、軍での女性の扱いは民間でのものとそう変わりません。
軍で男性と女性兵士の配属は異なりますか?
異なります。どちらかというと、男性兵士は肉体を駆使する戦闘部隊に配属され、女性兵士は事務的な役割を果たす後衛の部隊に配属されることが多いです。
しかし、今日ではほぼ全ての部隊に必ず女性が配属されています。
IDFの約85%の役職が女性を受け入れており、近年では戦闘部隊に志願する女性兵士の数がとても増えています。2018年には、空軍で女性のパイロットが司令官として初めて任命されました。
一緒に兵役についている人たちは、あなたがメシアニック・ジューであることを知っていますか?
知っています。入隊した最初の日に、自分がメシアニック・ジューであるとはっきり公言しました。そうすることで、毎朝祈りのための時間を持つことができるからです。兵士の権利の一つとして、1日に3時間を祈りのために使うことができます。朝・昼・晩に祈ることができるのです。祈りの時間を確保するためにも、自分がメシアニック・ジューであると明言することは重要でした。
訓練と学科において、友人たちに自分の信仰を伝え、特に学科では他の女性兵士たちと信仰について話すことができました。学科には100名の兵士がいて、3ヶ月ほど一緒に受講していたのですが、その間に60名以上の女性兵士たちと話す機会が与えられ、ほとんどの兵士たちが、私がイエス様を信じていることを知っていました。
彼女たちは非常に興味を持ち、私がメシアニックの信者であることを彼女たちの友人にも話したようです。そして、結果的に、私は非常に多くの女性兵士たちに自分の信仰を分かち合ったことが分かりました。なぜなら、毎日のようにグループが代わり、様々な人たちと時間を過ごす機会があったので、私は自分の信仰について話し、また互いの経験などを分かち合っていたからでした。
そして現在の部隊に配属された時、同じ部隊の友人たちに自分の信仰についても話すことができたのです。
軍でのメシアニック信者たちの態度はどのようですか?
態度は良いです。結局のところ、軍隊は様々な宗教や宗派に属する人々や世俗的な人々で構成されています。軍ではそれらすべてを取り入れ、結合し、一つの集団になります。国家と市民の保護を目的とし、同じ軍服を着て、同じ規律を守る集団です。肌の色や宗教による差異はありません。軍では平等に扱われます。そして、それは自分の信仰を話すときにも同じです。兵士になる10代の若者はすでに十分に成熟しており、心を開いており、これまで聞いたことのない新しいことに興味をそそられるため、ほとんどの場合、反応はとても良いです。私の経験では、自分の信仰を伝えた人のほとんどは、非常に興味を持ち、もっと話を聞きたいような様子でした。私には軍隊で一緒に仕事をする4人の非常に良い友人がいます。とても親しい友人たちです。信仰について初めて伝えた時、友人たちは非常に興味を持っていました。そして今日までも、時々信仰についてさらに質問してくるので、信仰についての話は途絶えていません。
軍では信者であることによって何か困難はありますか?
世俗的な人々からの影響があります。世俗的な友人たちはお酒を飲んだり、タバコを吸ったりするような行事に一緒に行こうと誘ってきますが、彼らと線を引き、流されないように気をつけて信仰に生きようと努めています。
世界中の多くの人々はイスラエルが紛争地で、治安が常に緊張状態にあると考えていますが、本当にそうですか?兵役の中でもその緊張がありますか?
西岸地区のガザやレバノンとの国境沿いなど、常に何かが起きる治安が悪い地域では、常に緊張状態があります。そして、何か緊急事態が発生すると、私の部隊では前衛部隊への応援や必要物資などを供給します。
しかし、個人的に、私の配属先は戦闘部隊をサポートする後衛の部隊なので、そこまでの緊張感を感じることは少ないです。
あなたとIDFの兵士たちのために何か祈れることはありませんか?
兵役中に非常に多くの人たちに信仰を分かち合い、時には本当に興味を持った人々に新約聖書を贈ることができたことは幸いでした。彼らが信仰を持つことができるように祈っていただきたいです。
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