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  • Writer's picture ダビッド トゥルーベック

パウロからシャウル(サウロ)へ:新約聖書で明らかになった使徒の本当の名前に隠された驚くべき真実!


📷 This photo is from the movie 'Saul: The Journey to Damascus'.

こんな質問をよく聞きます―

ユダヤ人がユダヤ人のメシアであるイエスに従い始めたとき、なぜユダヤ名を捨てたのでしょうか?

不思議に、また怪しく聞こえるでしょうが、実際に上がる疑問なのです!


西洋のキリスト教の教師が「パウロは信者になった後、ユダヤ名を捨てた」と言うのを聞くたびに1シェケルもらっていたら、私はおそらく大金持ちになれていたことでしょう。


新約の中心的な著者、少なくとも信徒への手紙の著者は、タルソのサウロ、ヘブライ語ではシャウルという名の人物だったのです。彼は血統的にユダヤ人であると同時にローマ市民でもあり、間違いなくユダヤ教正統派のラビとして知られていました。


彼は、当時最も尊敬されていたユダヤ教の学者・ラビであったガマリエルの下で学びました。 彼は神に熱心で、「イエス様を信じるユダヤ人達はみな欺かれているのだ」と確信しており、ユダヤ人のイエス信者を逮捕しようとし、最初のユダヤ人ビリーバーの指導者だったステパノの石打ち刑を承認しています(使徒7:58, 8:1)。


しかし、さらに多くの同胞たちを逮捕するためにダマスコに向かう途中、彼は地面に叩きつけられ、大きな光で目が見えなくなりました(ちなみに、馬に乗っていた訳ではありません)。とにかく...イエス様は彼に語りかけ、彼がこの問題の間違った側にいることを確信させたてくださったのです。 この劇的な出会いの後、彼はイエス様の信者となり、イエス様の福音をユダヤ人に、そして諸国民に伝え始めたのです。


使徒の働き13章9節にはこうあります。


すると、サウロ、別名パウロは、聖霊に満たされ、彼をにらみつけて、[使徒の働き 13:9]


多くは、「サウロは信者になってからパウロという名前に改名した」と教えています。そこから発展させるように、ユダヤ人の名前を捨て、クリスチャンの名前を名乗らなければならなかった、と教えているのですが、これは大変おかしな話です。


なぜならば、1世紀には『クリスチャン的な名前』というものが、存在しなかったからです! 当時のローマ世界は多神教・偶像崇拝の世界であり、その遺産を受け継いでいました。この使徒パウロから、多くのクリスチャンは自身の息子たちをパウロと名付け、欧米ではポピュラーな名前の1つになりました。


さらに、イスラエル以外のユダヤ人の家庭で育った人なら誰でも、ユダヤ人が2つの名前を持つのが一般的であることを知っているでしょう。1つは彼らの自分たちが今住んでいる場所に合った名前、そしてもう1つはヘブライ語のユダヤ的な名前です。例えば私のヨーロッパ名はデニスですが、両親はヘブライ語の名前であるデイビッド(ダビデ)もつけてくれました。


サウロがユダヤ人でない地域を旅していたとき、彼はローマ名であるパウロを使いました。この箇所では「パウロと名を変えたサウロ」ではなく、「パウロとも呼ばれたサウロは......」と『加えて』書かれていることに注目してほしいと思います。

パウロが名前を変えたという証拠は、まったく無いのです。


日本でユダヤ人への伝道と証しの奉仕をするためには、このような複雑な事情を理解しておくことが極めて重要です。

現在、何千人ものイスラエル人ユダヤ人が日本を訪れている事から分かるように、ヨーロッパのキリスト教によってユダヤ人が負った深い傷を癒す器として、主が用いてくださるチャンスを私達に与えておられるのです。


ご存知のように、敵は「イエス様はイスラエルのメシアである」という事実をユダヤ人に分からなくさせよう、と懸命に働いてきました。古代の(異邦人)教会は、新約聖書の中心人物の多くを脱ユダヤ化することで、その手助けをしたのです。パウロは、ユダヤ教のメシアに従った学識あるラビであるサウロとしてではなく、ユダヤ教とは異質で対立する新しい宗教を始めた元ユダヤ人として紹介され、そう知られることとなってしまったのです。


使徒の働きの中で、ユダヤ教の指導者たちに向かって、「そういうわけで、私はあなたがたに会ってお話ししたいと願ったのです。私がこの鎖につながれているのは、イスラエルの望みのためです。」(使徒の働き28:20)と述べています。サウロは新しい宗教のために苦しんでいたのではなく、イスラエルの希望のために苦しんでいたのです。


このアイデンティティの窃盗を暴き、イェシュア(イエス様)を本来のユダヤ教/ヘブライ語の文脈でユダヤ人に紹介しようではありませんか。


この記事を書き終えるにあたり、祈りと献金を通して、日本に住むユダヤ人コミュニティと日本に滞在するイスラエル人旅行者に奉仕するCPM日本支部の使命を、積極的に支えてくださっている日本中の信仰深い支援者の皆様に、心からの感謝の意を表したいと思います。


メシアであるイェシュアの愛のうちに、

デイビッド・トゥルーベック



ユダヤ人の帰還とは、ユダヤ人が神から約束された土地に戻るという心底からの願いを実現する旅です。それは、自分たちの遺産を再発見し、迫害の魔の手から逃れたいという深い切望を体現しています*。


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