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  • Writer's picture ダビッド トゥルーベック

メシアニック・ジューはクリスマスを祝うのか


メシアニック・ジューとはイェシュア(ヘブライ語で「イエス」)を救い主と信じているユダヤ人のことです。その中にはクリスマスを祝う人もいますが、様々な理由からクリスマスを特に祝うことをしない人々もいます。


多くのメシアニック・ジューたちはクリスマスへの文化的繋がりを持っていないのです。


イェシュアを信じるユダヤ人信者たちの多くは、家族の伝統としてクリスマスを祝うことはありませんでした。彼らはクリスマスやイースターよりもユダヤの祭日を守る家庭で育ちました。そして、イェシュアに信仰を持つようになってからも、メシアニック・ジューたちの一部はそれらキリスト教の祭日を祝う必要を特に感じませんでした。


多くの場合、メシアニック・ジューはイェシュアの誕生をハヌカの時に祝う


ユダヤの祭日であるハヌカは毎年クリスマスに近い時期に祝われます。イスラエルの歴史における光の奇跡を記念し、それゆえにハヌカは「光の祭典」とも呼ばれます。ハヌカはイェシュア――世の光――を指し示すと思われる数々の象徴性を含んでいます。それ故に、多くのメシアニック・ジューたちはクリスマスよりもハヌカの時にイェシュアの誕生を祝います。


しかしながら、メシアニック・ジューの一部では、クリスチャンの片親とユダヤ人の片親とで構成される家庭で育つ人たちが増えており、そのような背景をもつ人々はクリスマスとハヌカの両方を祝います。そして、彼らが新しい家庭を持つ時にその伝統を継承していきます。 クリスマスは誤解を強める

教会は、ローマのコンスタンティンの支配下にあった西暦325年に、イェシュアにおける信仰と元来の聖書的なユダヤの性質を切り離すことに多大な努力を払いました。また、十字軍はユダヤ人たちがユダヤ教を捨てず、キリスト教へ「改宗」しなければ、武力を持って彼らを迫害し、ユダヤ的基盤からイェシュアに対する信仰を分離しました。


結果的に、ユダヤ人の共同体はクリスマスやイースターをユダヤ人のためではない別の宗教の祭日と見なすようになりました。多くのメシアニック・ジューがクリスマスを祝うことは彼らのユダヤ人の家族や友人たちに、彼らが「ユダヤ人であることをやめ」、異なる宗教に「改宗した」と思わせる一因になり得ると考えています。 メシアニック・ジューたちは、彼らの兄弟姉妹たちが預言された救世主であるイェシュアを信じるようになることを切望している故に、イェシュアへ心を開くことを妨げうる迫害の史実や誤解が多分にある事柄に対して敏感です。 イェシュアはおそらくクリスマスには生まれなかった

多くの聖書学者たちが、イェシュアが12月25日に生まれたのではないということに同意しています。聖書を詳細に読み解く中で、また年月の計算などに基づき、多くの学者たちはイェシュアが秋に行われる仮庵の祭りの頃に生まれたと考えています。また、ある学者たちは過ぎ越しの祭りが行われる春頃だったと推定しています。 では、なぜイェシュアの誕生が12月25日に祝われるのでしょうか?その日付はグノーシス主義が人気を博していた時に選ばれたものです。グノーシス主義は霊的なものだけが善であり、私たちの肉体を含む全ての物質は悪であると主張しました。この考え方は過度な生活スタイルへと繋がりました。もし肉体が悪であるなら、悪にふけっても良いではありませんか?(肉体がそもそも悪なのですから)。グノーシス主義は冬の始まりに毎年恒例の祝賀会を行い、その間に信者たちは物質的世界の堕落と悪にふけって楽しみました。 イェシュアにおける信仰の中心的教義の一つは、イェシュアが肉体を伴って来られたことです。しかしながら、グノーシス主義はイェシュアが肉体を持っていたのなら完全に善とはなり得ないとしてイェシュアの誕生を否定したのです。教会は12月25日をグノーシス主義に対抗する手段として、救い主の誕生を祝う日に選びました。 「教会が12月25日になにか特別な関心を抱いていた訳ではない」とメシアニックのラビであるジャック・ジメールマンは言いました。「しかし、もし異端者のグノーシス主義を退けたかったのなら、その日ほどふさわしい日はないだろう。それはグノーシス主義が最大限にキリストの降誕を否定した日だからである」。


「良い知らせは教会の試みが上手くいったことだ」とラビは言及しました。「教会がキリスト降誕の真実を主張した時、神は教会とともにおられたのだ」。今日、12月25日はクリスマスとして知られ、グノーシス主義の異端的祭日ではありません。 イェシュアの実際の誕生がいつであったかに関わらず、一致していることは、イェシュアの誕生が12月25日ではないということです。このことからも、メシアニック・ジューたちの一部がクリスマスを祝わない理由となっています。 メシアニック・ジューは救世主の誕生を祝う

メシアニック・ジューはイェシュアの誕生を祝いますが、ただ必ずしもそれがクリスマスの日に祝われるということではありません。ユダヤの祭日はイェシュアの預言的な象徴を含んでおり、メシアニック・ジューがこれらの聖書的な祭日を守るときに救世主の降誕をも祝うことができるのです。

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